【感想】【メモリーズオフ -Innocent Fille】雨が上がらない時も傘をさせばいい。後半
はじめに
前回の記事の後半になります。
今回はがっつりネタバレ記事になるので未プレイの方は見ないことを推奨いたします。
絶賛 for Dearest を楽しんでいる中イチャイチャが予想以上でお腹いっぱいになりましたので、ぼちぼちこっちの感想を書いていこうかと。
作品全体を通して
前半にも書きましたが
最高だった。
この一言に尽きます。
ストーリーの流れからキャラの個性、声優さんの演技、BGMから何から何までゲームとして一つの物になっていました。
一つ一つ単体でも素晴らしい物なのですが合わさった時の爆発力がすごい作品だなと私は感じています。
ストーリー
lightサイドではheavyサイドに比べれば確かに軽い題材でしたが。深さといいますか、ストーリーの強さは凄かった。。
いじめや親友との恋バトル。ゲームをプレイしていた当初はこれ以上に重い題材があるのだろうか?と疑問を抱く内容の重いシーンが多かったように感じます。
特にノエルのBADENDは見ていて苦しくなる者がありました。
前作からやっている方、特にクロエお姉さん推しにとってはすごくつらいENDだったのでは…。
それも踏まえたうえで考えるとBESTENDは非常に良かった。ほっとしたと同時に
最後のノエルの笑顔。かわいい破壊力にやられましたね。
heavyサイドでは三城家の複雑な家庭事情から琴莉の真相、過去の真相が明かされたわけですが。。。
まぁそれはあとに掘り下げましょう。
BGM
儚げなものが非常に多く印象的な場面で流れるものが軒並みピアノで私を殺してきてるな…と。
場面の切り替え時はもちろん。あえてBGMを無くす演出もばっちりでストーリーに引き込む要素としてすごく貢献していたと思います。
主題歌のレジリエンス、フルも最高ですのぜひ買いましょう。
声優
前半に記載した通りですが、声色の変化がとても自然でキャラそのものの声に聞こえるくらいしっくりきました。
特に累、ノエル、莉一はほんのわずかな声色の変化がキャラの気持ちが伝わってきていいなと。
演技分けで言うと琴莉と瑞羽が印象深く良いです。最高。
会話だけで場面脳内再生余裕なのに声優さんの演技がここまで自然だということなしですね。
CG
綺麗です。文句のつけようがないと言われると言いきれない部分もありますが、CGをみるだけでどの場面でどんな会話があってなど思い出されることが多いです。
間違いなくイノサンフィーユの世界観に引き込む最初のトリガーはCGだったと思います。
キャラクターの立ち絵と背景といい全部が自然なんですよね。だからすらっと世界に入り込めてしまう。怖いくらいでした。
個別感想
嘉神川ノエル
「累さんって呼び方ずるくない?」
パッケージヒロインということで最初に攻略されることが多かったと思います。
私もその一人でこの子の見た目に魅かれて購入を決めたというのもありました。
金髪翠眼。そして少しミステリアス。声も脳に直接語り掛けてくるような甘いボイスでプレイし始めは『アマガミ』の七咲逢みたいな子なのかなと思っていました。
プレイしているとどこにでも出てきて累に対してアピール、もとい関わってくるなという印象です。
どのルートでも一定の活躍を見せる辺り流石パッケージヒロイン。強い。
そういった意味ではノエルと累はどこか似ているなと感じますね。
ノエルはヒロインでありながら主人公の要素も備えた今作最強キャラ。対戦ゲーなら環境キャラだったこと間違いなし。
印象が変わり始めたのは累が琴莉の幻影を見たという告白をした辺りでした。
それまでは男性恐怖症の引っ込み思案な女の子。後輩。みたいな印象でしたが、その辺りで積極的な面もあるんだなと。
そこから累側から少しずつ心を開いていきノエルもそれに応えていく流れが秀逸でした。
正直期間として描かれる時間が短かったかなとも思いましたが、彼らは高校生ですしね。
個人的に一番印象に残っているシーンは間違いなく最後。
ではなく
ここ!!
CGの綺麗さとも相まってすごく印象的でした。
このCGの一番好きな所はノエルと累の身長差というか、お互いが見つめている角度ですね。
なんだこの尊いの。おじさんキレそう。
ここはもうノエルの独壇場でしたね。
ロールキャベツ系男子の累を逃がさないためにはノエルが積極的になるしかない!
非常に見ていて安心できる展開でした。
このシーンの前に行われていた懺悔室での言い争いは見ていてハラハラしましたが…
無理くり直接話す機会を作ってお互いが本音をぶつけ合えば何とかなる!といわんばかりのかなり強引な方法をとる累。
そんな行き当たりばったりな所も人間味があって私は累に好感が持てましたね。
解決時は寿奈桜ちゃんナイス!よく泣いた!!!といわざるおえない幕引きでしたがすごく結果オーライといいますか良い解決方法だったんじゃないでしょうか。
個人的には美咲さんの評価も上がってファンディスクでの活躍を期待してしまうほどでした。
そしてそこから数日後みんなでカラオケ行ったり、北海道にまでノエルが来てくれたりと。
見えている問題はすべていい方向に向かい、累とノエルは幸せになるんだろうな…。と。
ここまでで見えている問題はな!!!!!!
志摩寿奈桜
「寿奈桜ちゃんはかわいいし!」
寿奈桜ちゃん強く生きてくれ。
正直な話キャラクターは間違いなく良い。いいんですけど!
ヒロイン力があるかといわれるとうーん。となってしまう悲しい役どころでした。
各ルートでも重くなりすぎるストーリーを一旦リセットさせてくれるというか、非常に豊かな表情や感情で場の雰囲気を持ち上げてくれるというか。
そういった役回りを自ら引き受けてくれるような素敵なキャラクターでした。
ただ、ただ!!
ヒロイン力が足りなかった。
悲しいなぁ。
ストーリーもBADENDこそ見ていてきつい物がありますが、終始株が上がっていくのは恋仲のノエルの方。
攻略したのも最後だったということもあり「ノエルたそ~~~」となる部分が多く感じました。
もう少し流し見せずしっかりと読んでプレイすればよかったかな。でもファンディスクすぐやりたかったんだもん。。。
すみません。
ルートでは寿奈桜ちゃんが成長していく姿が目に見えて嬉しくなる部分が多々ありました。
ただ株の上がり方はノエルの方がすごい模様。
公式サイトのキャストコメントでも言われていましたが、累を取り合ってバトルする二人のシーンが一番印象に残っていますね。
ビンタにはちょっと驚いたかなぁ。
それでももう一声ヒロイン力が欲しいキャラではありました。
三城柚莉(琴莉)
「こんにちは私の初恋。ってなんだよその言い回し!」
私の一押し。
三城柚莉ちゃんですが、この子は本当にDLCの柚莉アフターで化けましたね。
個別ルートの問題解決がそれこそ最後の最後だったのでいちゃラブ要素がほぼ無くエンディング迎えてしますし。アフターでの補足がないとヒロイン争いは厳しかったかも…。
初期の印象は見た目もかわいいけど幼馴染ポジかぁ。負けヒロインかぁ。と思っていましたね。
ふたを開けて見れば私の中で完全に勝ちヒロインになっていたわけですが。
良くも悪くも最後まで明るく元気で。印象が変わらなかったキャラクターでした。
一方柚莉の中にいる琴莉は
見た目こそ可愛いのですがもうやり口が好感持てるものが少なすぎて…
これまた不遇な扱いでした。役回りとしては必要だったんですけどね。
魅力的なキャラクターなのは間違いないです。
(ゲーム内解説書には制服着た上で学校生徒の2年生って紹介されてるんですがそれにまんまとだまされました。)
個別ルートでは終始怪しい雰囲気が漂っている中、公園でさらっと琴莉にあった時は…
正直開いた口がふさがらなかったです。
「は?こんなに早く出てきていいのか」と
その時点で莉一は怪しかったので琴莉からの発言を聞いても「ふーん」ぐらいで済ませられたのですが…
そのあとすぐ琴莉から『ちょこ』での連絡がきて「連絡先を柚莉ちゃんから教えてもらった」という文字が見えた時はもう色々嫌になりそうでした。
もう何を信用したらいいんだ…という。
その次のシーンは琴莉と柚莉が電話しているシーンで。
本当にそこを見た時は結構私まいってましたね。うん。
そこから琴莉と密会を重ねていくうちにいろいろ状況証拠が集まって。
結果莉一から病名を聞かされたときはさほど驚かなかった気がします。
いつどこで柚莉と琴莉が同一人物なことに気づいたかは不明ですが。
本当に思い出せないんですよねぇ、そこだけ。
その後の柚莉との時間は恋人ごっことはいえ見ていてお尻がかゆくなる甘酸っぱさがありました。
まぁ琴莉という存在が頭の片隅にあるので全力でその状況を楽しめないわけですが。累はもちろん柚莉も…そしてプレイしている私も。
琴莉が暴走した時はどうなることかと思いましたが幕切れはあっさりであり、非常に納得できる終わりでした。
ただエピローグがな!な!!!!!
急にチョコ食わされてもな!!!よくわからないんだよ!!!!!!!
プレイ後DLC速攻買いましたよええ!!!!!!!!!!
あと最後の莉一の謝罪シーンは流石に胸が熱くなりました。
こいつは兄として全力で頑張ってるんだなと。
そしてバッドやダブルエンドについてですが。
バッドはここが…
個人的にはぶっちぎりで嫌なエンドでした。
完全に柚莉壊れてるしなにより死亡エンド直前の顔がしっかり映ってるCGってこれだけなのでは?
表情がつらすぎるよ柚莉…。
初見プレイ中に出来心で別選択し選んでここに辿り着いてたら三日は寝込んでた自信ありますね。
ダブルエンドの方は…
CGこそ華やかできれいな絵でしたがうーんこれ。
皆狂ってますよねっていう。
まず柚莉と琴莉が二人と腕を組むってのは現実問題不可能なわけですし。
ハーレムエンドか何かと期待してみたら大変なことになってましたね…。
累…強く生きてくれ。。。。。
一番印象に残っているシーンはここ。
累と柚莉との距離の近さを物理的にも精神的にも知れる良いシーンだなと今になって思います。
好きな奴以外とはフォークダンスしないよなぁ?
日紫喜瑞羽(琴里)
「はい。ずるいよなこのキャラ。」
ぶっちゃけ登場の仕方がズルすぎる瑞羽。
累を助けるだけでもカッコいいのに過去の本当の琴里でしたなんて言われたらもうね…。
株跳ね上がりますよ!!!!
非常に魅力たっぷりなキャラクターで、特に声色の変化が一番大きかったのではないでしょうか。
真相、自分のことを累に告白した後は吹っ切れたように話していて。
服装や髪形から何から何までイメージチェンジされているのにちゃんと日紫喜瑞羽していてやはり製作スタッフやキャストさん方はすごいなと。
正直別キャラになってしまってもおかしくないくらいのイメチェンでしたので…。
始めの登場からお堅い方だなとは思っていてありがちなサブキャラクターだなと。
そう思っていましたが!
サブキャラどころかノエルに匹敵する二大ヒロインで度肝を抜かれましたね…。。。
真相を明かされたときは
そういうことかー!!!!
累ちゃん呼びはずりーーーーぞ!!!!!!
っとすごくテンションが上がりました。
戦犯CGはこれ。ここの演出もずるかった。
言われてみればノエルルートでもそれほど関わりのない累にやたら信頼を置いていたり、理解があったりで合点の行く部分が多いです。
二週目をやったら新たな発見が多いキャラクターなんだろうなと。
ルートについては真相告白後自体がまぁ~動き出すわけですが。
莉一が行動に起こして攫われてしまう瑞羽。
そこでの莉一の告白は…かなり狂ってるなとしか思えませんでした。
その後言い回しで「みんなもともと壊れていてトドメを刺されていなかっただけ」という表現が心にきましたね…。
他のルートではトドメを刺されず良い兄、親友として居てくれる莉一が琴里をトリガーにこうなってしまうとは…。
ショックは結構ありました。
希莉
そしてストーリーの確信ともいえる希莉。
瑞羽を攫うシーンでの暴力的なところや、久瀬さんの件は希莉がやったなど。
かなり衝撃の強いキャラクターでした。
殺人に躊躇いがないという点が非常に怖い。
最後の決着シーン以外ではこれといった出番がなかった希莉ですが、
そこの場面だけで希莉が暴力的で無邪気な子供で柚莉を守る3人目の存在だということがわかり、テキストを読み進めながら感心していました。
説明になりすぎず会話だけでここまですらっと状況や状態を説明できる演出はなかなか。。。
三城莉一
累の一番の親友で柚莉の兄で黒幕。
キャラクターとしての闇の部分は共感できませんでしたが、すごく人間味のある莉一がこの作品で一番好きかもしれません。
最後の最後での告白。
累にだからこそ自分の全部の闇をさらけ出すシーンは悲しくて仕方ありませんでした。
今までどのルートでもお世話になっているからこそ非常に悲しい。
見たことのない表情差分見れるのがこんなに悲しいことがあっただろうか。
最後のシーンはタイムリミット付き。保健室の魔女が警察に自首するまでという中でのバトルでした。
そのおかげ…といったらいいのか莉一と累が本音で話せたのがわずかな救いだったのかなと思いました。
肋骨折れてる莉一にきっぱりと本音を話せと伝えた累は…うん。強いよ。カッコいい。
真相ルート ラスト感想
とてもハッピーエンドとは言えない、悲しいエンドでした。
でも今まで思っていたことや考えていたことがスッと落ちるような。そんな感覚。
儚くてそして綺麗なエンディングだったと思います。
エピローグでは莉一が警察に連れていかれ、柚莉は入院という形でした。
勝手な予想ですが累たちが柚莉のお見舞いに行ったとき対応してくれたのは希莉で、柚莉と琴莉はもう死んで…いなくなってしまったのではとも考えています………。
正直それが一番しっくりくるなと。
冬エンド
こっちがグランドフィナーレ。正規ルートなのかなと。
最後の瑞羽とのキスシーンは鳥肌物でした。
今までこんなに儚いキスシーンがあっただろうか。
だって別れのキスでもないんですよ!?!?
これからはずっと一緒。
という証のキスなんですよ!?!?!
なんでこんなに儚く喜びきれないんだ…。
でも…でも!
二人には幸せになってほしいなと強く思わせるエンドでした。
最高。
春エンド
こっちは打って変わってノエルと瑞羽が累を取り合う構図のエンド。
正直冬エンドにとってつけた感はありましたが、冬エンド突入のためにみるノエルを拒絶するシーンは見なくて済むのでノエルファンには嬉しいルート。
個人的には好きになれないエンドですね。
事件は解決しているものの流れはほぼ変わらずの状況で、エピローグでは三人が仲良くしている描写が。
ハッピーエンドは好きですが前の出来事を考えるとうーんと少し思ってしまいます。
まぁ春休みのことなので事件からは少し機関開いていて、気持ちの整理がついている頃なのかもしれませんね。
過去から逃げるのではなく乗り越えて明るい未来を目指す途中みたいな。
そう考えることもできるので一概に全否定はできませんし良いエンディングでした。
柚莉アフター
いいね!最高だね!!
これが気にいったらファンディスクまで行ってしまっていいと思います。
累と柚莉の本当に甘々な日々が描かれ、本編柚莉ENDとエピローグの間の時間をどう過ごしているのか。が分かります。
バッティングシーンや莉一の本音をぶちまけるシーンなど印象深いシーンが多いですが。
瑞羽と柚莉が並んだ時が悲しくて仕方なかったですね。
この世界線だと真相を知っているのは瑞羽だけなのを考えるとなおさら…。
しかも仲良さそうにするんですよね。あぁ…。。。
そして初動のこれには驚きました。
なんじゃこの選択肢!?
今までこんなおふざけRAINSもなかったのでこの演出を見た時に、
「あ、今回はイチャイチャを全力で楽しんでいいんだな」
と思いましたね。
ありがとうメモオフスタッフ。
Memories Off END
アナザールートのエンド。
本編でも心のオアシスとして。頼れる親友として。安らぎをくれる喫茶店マスターとして。活躍したミスターメモオフ『稲穂信』が幸せを手に入れるENDです。
過去作のキャラクターが一気に登場し古来からのメモリーズオフプレイヤーには嬉しすぎるルートだと思います。
私はこのルートの良さを全部味わえないのが悔しいです。なぜ過去作未プレイなんだろう…。
このルートはシリアス要素もほぼ無く最後のCGがすごくいいという感想。
今までにないくらいノエルが良い笑顔でああ、救われたなと内心思いました。
何が救われたかってのはまぁ…ね?
さいごに
本当に何度も言うようですが
最高の作品でした。
なんでしょうね、キャラクターが好きなったりストーリーが好きになったりっていうことは多々ある私なんですが。
作品そのものを全部まるごと好きになってしまうのは凄く久しぶりです。
ここまで素晴らしいと感じた作品なのでぜひ多くの人に触れて行ってほしいなと思います。
なにか宣伝できる能力があれば!くそ!!
あ、そういえばなんですが。
冬コミくらいに向けてIF短編集を考えていて、ぼちぼち書いてます。
— 相澤こたろー (@kota_murasaki) March 31, 2019
『Past the borderline』とか『幻影だった夏』とか、タイトルだけ考えてまだ書いてないものから、『其れは血戦。弔いのごとく。』とかいう咲咲な中編も、ネタメモだけは既にあります。
生みの親、『相澤こたろー』様がこのようなツイートをされていたのでもしかするともしかするかもしれませんね!
今年の冬コミは熱くなりそうだなぁ!!!
いかねば。
そんな軽い情報もそこそこに今回の記事はこの辺りで終わろうかと。
感情が感情すぎてまとまりのない記事になりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。
『雨が上がらない時も傘をさせばいい。』
私も誰かに傘をさせる人になりたいと。そう思わせくれる作品でした。